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8月31日に実施しました、リバネスが主催する超異分野学会2024 大阪・関西大会では、パネルディスカッション「能登のインフラ破壊を機に考える、日本の集落とレジリエンス」(セッションパートナー:石川県)を実施しました。
登壇者は以下の3名です。
佐藤 晋太郎 氏
石川県 能登半島地震復旧・復興推進部 創造的復興推進課長
2013年、経済産業省入省。再エネFIT制度改正、官民ファンド「クールジャパン機構」の投資による海外展開支援、若者・中堅人材の地方就職を支援する「まちの人事部」政策の立ち上げ、中小企業のコロナ禍の事業継続を支える各種給付金制度等を担当。2022年から石川県庁へ出向し、産業政策課長を務めていたが、本年1月の能登半島地震を受け、4月より新設の創造的復興推進課長に着任。県の創造的復興プランの策定・推進や、地域の活動を支える中間支援組織の立ち上げ等に携わる。京都府京丹波町の政策アドバイザーを兼業。米国コーネル大学地域経済学修士修了。
林 俊伍 氏
株式会社こみんぐる/comingle 取締役/CEO
現代集落 いいだしっぺ
能登乃國百年之計 代表理事
1986年生まれ。石川県金沢市出身。金沢大学卒業まで金沢で過ごし、2009年豊田通商入社。私立高校教員を経て、2016年4月「地域の為になることをしたい」と金沢市に帰郷。帰郷を機に夫婦で株式会社こみんぐるを創業。「100年後も家族で暮らしたい・働きたい地域を作る」をビジョンに様々な事業を展開。金沢市内で25棟の貸切宿『旅音/TABI-NE』。面白い地域を作るには面白い仕事からつくる、経営者の育成『Workit』。珠洲市で100年後の豊かな営みを考える安全で快適なエネルギーから自給自足する『現代集落』等を運営。
井手 脩治 氏
自然電力株式会社 地域開発部 ローカルオリジネーショングループ グループリーダー
佐賀県出身、2015年自然電力株式会社入社。これまで風力事業プロジェクトなどに従事した後、昨年より営農型太陽光やレジリエンス強化の事業企画、地域リーダー育成事業である「Green Business Producers」の運営などを担当。単発の収益事業ではなく、青い地球と次世代のために再投資する新たな資本循環の仕組みを実装することを目指している。
パネルセッションでは、登壇者による忖度なしの議論が行われました。
石川県能登半島地震の被災地では、高齢化や人口減少が進む中で、単に元の状態に戻すのではなく、持続可能な形での「創造的復興」が課題となっています。石川県の佐藤氏からは、自立分散型エネルギーシステムの導入や関係人口の拡大など、新たな取り組みが検討されていることが紹介されました。林氏は現地で「現代集落」プロジェクトを展開し、エネルギーの自給自足や循環型の暮らしを実験的に実践していることについて、また、自然電力社は再生可能エネルギー事業を展開しており、蓄電池システムの導入など、防災と経済性を両立させる取り組みを行っていることについて、現場視点の事例紹介がありました。
このような3者からあがったのは人材育成の重要性です。被災地の復興には、自ら課題を見つけて解決できる人材が不足しており、外部からの支援と連携が求められていることや、大学との連携や、企業による人材育成プログラムなど、地域課題に取り組む人材を育成・支援する取り組みの必要性について語られました。
今後は、地域住民にもメリットが感じられるような小規模でも実現可能なプロジェクトの立案や、産学官の連携によるスピード感のある取り組みが重要とされ、長期的な視点で取り組んでいく覚悟をあらたにしました。
問い合わせ先
リバネス・レジリエンス・プロジェクト
[email protected]
担当 立花・濱口