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5月11日(土)、石川県 能登半島地震復旧・復興推進部のお取り計らいで、能登半島の輪島市・珠洲市を訪問させていただきました。色濃く被害が残り、復旧・復興の取り組みが最優先の中での現地訪問の受け入れ、心よりお礼申し上げます。
・現地の様子
倒壊した建物がまだそのまま残されており、罹災証明を待っている状態。大規模な地すべり、山崩れが無数に発生しており、埋もれている建物もある。山崩れにより道路やトンネルが寸断され、孤立している集落もある。現在使われている主要な道路も片側が崩壊しているなど、危険な箇所がまだ多くある。水道管が壊れ、断水している地域もある。
↑珠洲市真浦地区 地すべりが多数発生している。梅雨の時期の二次災害が不安視されている。
↑珠洲市真浦地区 ここはもともとは入江だったが、海底の隆起によりすべて砂浜になってしまった。
↑輪島市内の道路 まだ修復できていない道路も多くあった。工事現場の人手不足が続いている。
・現代集落への訪問
石川県 能登半島地震復旧・復興推進部から現代集落を紹介いただき、訪問した。現代集落は石川県珠洲市の真浦地区で「テクノロジー×限界集落=現代集落」というコンセプトで様々な取組をしている民間チーム。「100年後の豊かな暮らし」にむけた実験場を掲げ、集落の外から新たな技術を導入し、自律分散型インフラ等、自然共生型生活圏の構築を目指している。代表の林氏が真浦地区の土地や家屋を購入し2021年から活動を開始している。
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約20世帯、40名程度が住んでいる集落だが、現在、自宅に戻ってきている人はまだかなり少ない。林氏は断水の中、真浦地区に戻り現代集落の活動を続けている。インフラが破壊された真浦地区において、今必要なのは「水」と「油(ガソリン・灯油)」とのことだった。水は水道管の破損により、まだ復旧していない。山向うの地区から毎日車を運転して水を運んできている。また、飲水の運搬をはじめ、真浦地区で生活をするには車が欠かせない。ここから、ガソリンが必須である。また、冬になると寒さが厳しく灯油も必須である。なお、電気自動車の導入や、家屋の断熱性向上と電化を行うことで、油(ガソリン・灯油)は電気に置き換えられる可能性もあるとのことだった。
・今後について
現代集落において、本プロジェクトに参画するベンチャーの技術実証を行う方向で、検討を開始した。7月にはベンチャー企業とともに現代集落を訪れ、実証にむけた現地調査を実施する。
(文責・リバネス レジリエンス プロジェクト 立花智子)